kogumaの出産育児ダイアリー

徳島市在住のライター。アラフォーで思いがけず妊娠しました。我が家の「かぞくのはじまり」を記録します。

出産ルポ「陣痛開始→病院到着から50分で出産」

開かずの子宮口

臨月に入ってからの妊婦検診で、医師から「子宮口全然開いてこないね。もし予定日を1週間過ぎると管理入院して陣痛促進剤を打って出産することになります」と言われていたkoguma。
「高齢出産の場合、子宮口の開きが悪く促進剤を打つ人も多い」という根拠のないネット情報に不安を煽られつつ、10月6日の予定日を迎えました。
そのころは、出産経験のある女性であれば手当たり次第に「お産の始まり」について経験談を質問しまくり、
「陣痛はどんな痛みなのか?」「おしるしはあったか?」「破水から始まったの?」などと情報をかき集めていたkoguma。その結果、分かったことといえば「出産は人それぞれ。王道のセオリーは存在しない」という当たり前の事実だけでした。


出産予定日の10月6日。前駆陣痛と信じ込んでしまい…

予定日の朝。東京在住の友人と「予定日だけど出産の兆候なし」などとメールのやりとりしていた最中、トイレにいくと「おしるし」らしき少量の出血が!
念のため病院に電話すると「一応、受診してください」とのこと。
診察した担当医は「いわゆる『おしるし』だけど、赤ちゃんは下がってきてないし、子宮口も全然開いてないから、まだまだだね」とのんびりした口調で診断。
がっかりしながらタクシーで自宅に帰った後、お昼時に夫とうどん屋さんに行ってちゅるちゅると鳴門うどんをすすっていると、なんだかきゅーっとおなかが張ってくる。
その後自宅で昼寝をして夕方5時くらいになると1時間おきにおなかがきゅーっと痛くなる。

そこで「陣痛 どんな痛み」でネット検索してみると、「経験したことのない痛み」「歩けない」「腰が砕けそう」などの体験談がてんこ盛り。まだまだ我慢できる痛みだった私は「きっと前駆陣痛に違いない。だってふつーに我慢できるもん」と開き直り、午後8時には夕食に豚しゃぶ鍋を用意してみる。この頃になると15分間隔で例の痛みがやってくる。それは下腹部から太ももにまでジュワーっと広がる痙攣のような痛みで、痛みが続く間はひたすら太ももを両手でさすり続けていた。この時点ではまだこれが「本陣痛」の痛みとは気づかず「前駆陣痛もかなり痛いもんなんだなー」と思い込んでいた。

陣痛アプリで5分間隔に!いざ病院へ

午後8時すぎに帰宅した夫に痛みを訴えつつ、ふつーに鍋をつつくkoguma。
そう。陣痛の不思議なことは、痛みと痛みの間はまったく平静でいられること。
ところが、だんだん痛みの間隔が短くなっている気がしてくる。
そこでiphone陣痛アプリを起動して測ってみると、なんと5分間隔に!結局午後10時45分に病院に電話してみると、通話の途中で痛みが始まり、息も絶え絶えになって喋っていると、その様子を察知してくれた助産師さんが「すぐに病院きてください!」と言ってくれた。

マタニティタクシーが活躍!

kogumaの「これは前駆陣痛です」という言葉を信じ切って晩酌にビールを堪能していた夫は運転できないため、事前に登録していた吉野川タクシーさんのマタニティタクシーに電話する。5分ほどで到着してくれたので夫とともに出産準備バッグを提げていざ病院へ。夜の11時すぎの国道192号線はかなり空いていたけれど、それでも約10分の道のりがなんと長く感じられたことか。痛みの波がやってきて身体を海老のように折り曲げてほうほうの体で産婦人科病棟にたどり着くと、電話で話した助産師さんが対応してくれてすぐに内診を受けることに。結果は「すでに子宮口5センチ開いてます」状態で助産師さんもびっくり。ところがkogumaとしては「この痛みは本陣痛だったんだ。病院にきてよかったー」という安堵感に包まれ、「さあ、今から出産するぞ!」という新たな意気込みでいっぱいになった。

あっけないほど超スピード出産に。

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事前に予約していたLDR室に入って、床敷きのおふとんの上で横になっていると、どんどん痛みの波がやってくる。しかし、これから赤ちゃんを産み出す痛みだと思うと、妙に前向きな気持ちで「さあ、こい!」と耐えられるから母は強し。定期的に助産師さんが子宮口の開き具合をチェックしてくれるが、「これは早い。どんどん開いてきてる」と急に慌ただしいムードに。「こんなに早いとベッドに上がれなくなるから、今、痛みがひいてる間にベッドに行きましょう」と言われて、必死で2メートル先のベッドまで移動。動いている間に、股の間でじゅわっと生温かいものが吹き出る感覚があり、一呼吸おいて「あ、破水した」と理解する。この瞬間から、腰のあたりが一気に出産モードに切り替わり、何かが股の間から出よう出ようとして押し出したい衝動、いわゆる「いきみ」の感覚が出てくる。

妊婦のときは「いきみを我慢するって何のこっちゃ?」と不思議だったけれど、実際に体験してみると、このままふんばって出しちゃったら楽だろうなーとつい力を入れてしまいそうになる。しかし助産師さんから「まだいきんじゃだめです」と指示されて、とにかく我慢するしかなくなる。この終盤の痛みを何と表現したらいいか。得体の知れない生き物の動きが下腹部をぐわーっと這いずり回り、体内から出よう出ようとするんだけど、まだ出したらだめっていわれて、仕方なく体内で暴れさせておく、という感覚。必死でいきみをこらえていると午前0時に担当医のM先生が登場。「さあ、次の痛みがきたら頭を持ち上げていきんでください」と指示を出されると「あー、やっといきめるんだ」とほっとする。唇を真一文字に結んで、3回くらいいきんだところでkogumaの血圧がパーンと上がり、少々緊急事態に。赤ちゃんの出ようとする速さにkogumaの身体が追いつけず、結果、M先生の判断でカップ吸引を1回してもらったところ、するりと赤ちゃんが出てきて誕生となった。それは出産予定日から遅れること9分。病院到着から約50分。10月7日の午前0時9分のことでした。

 

赤ちゃん誕生からその後

M先生が「男の子の赤ちゃんですよ」と声をかけてくれて、助産師さんがへその緒を切った我が子を胸の上に置いてくれた。初乳を含ませると、驚いたことに我が子はチュパチュパと口を動かし、必死でおっぱいを吸ってくる。感動というより「はやくもおっぱい?」とびっくりした。赤ちゃんはお腹のなかにいる間に自分の指を吸うことでおっぱいを吸う練習をしてきたという。我が子はどうやらおっぱいを吸うことに関してはしっかり鍛錬できている様子。それにしてもさっきまでお腹のなかにいた赤ちゃんが今は自分の胸の上でクネクネと体を動かしているのがどうにも不思議でしょうがなかった。

その後、傷口の処置をしてくれているM先生にスタッフの人が耳打ちすると、M先生は「すぐに戻ります」といって出て行った。どうやらお亡くなりになった方が病院から運ばれるタイミングだったよう。深夜の総合病院。はじまる命もあれば終える命もある。すごく当たり前のことだけれど、生と死が隣り合わせにある現場であることを実感した。今しがた生まれた我が子はこれからどんな人生を歩んでいくんだろうか。