はじめての遠足
親にとっても子どもにとっても初めての遠足。
1週間前からトミカのレジャーシートをリビングに敷いて、
親子で一緒にお茶を飲んだり、お菓子を食べたり…。
遠足の日を楽しみに待っていた。
食べやすいようにと小さなおにぎりをコロンコロン。
卵焼きに鮭の塩焼き、ブロッコリー。
大好きなものばかりを所狭しと詰めてみる。
大トリは足赤海老の塩ゆで。
「何食べたい?」と尋ねると、必ず「エビー!」と答える息子。
どうしても足赤海老を入れてやりたかったけれど、
近所のスーパーではこのところみかけない。
「そごう」に行ってみるか、と逡巡していたら、
遠足の前日、スーパーに1パックだけ並んでいた。
奇跡。
ずーっと並んでいなかったのに、その日だけ1パックあるなんて。
神様ありがとう!
空のお弁当箱を差し出す息子に
「何が一番おいしかった?」と尋ねると、
「えびー!!」とお返事がかえってきた。
息子の喜ぶ顔を思い浮かべながら、ちまちまと詰めた春の朝。
あの幸福感はしばらく忘れられないかな。