kogumaの育児ダイアリー

徳島市在住のライター。アラフォーで思いがけず妊娠しました。我が家の「かぞくのはじまり」を記録します。

保育園は育児負担を軽減するための行政サービスではない。

生後3ヶ月から子供を保育園に預けているという知人女性から「保育園、いつから預けるんですか?わけがわからない早い時期に預けた方が子供も保育園に行くのが当たり前になって通園のたびに泣いたりしないからいいですよ」とアドバイスをいただきました。さらに「保育園に預けてると、離乳食の指導もしてくれるし、ストローやコップの使い方もマスターしてくるし、トイレトレーニングだってやってくれるからラクですよー」と付け加えてくれました。

 

また別の機会に、学資保険を売り込まれた銀行にて、担当の女性が「うちの孫なんて6ヶ月から保育園通ってるんですけど、なんでもすぐに覚えてきてすごいの!小さいうちから社会性も身につくからオススメですよ」と言われました。

 

 

そのとき感じた違和感。

ざらざらとした嫌な気持ち。

一人の小さな人間に対する侮辱。

面倒なことが回避できたと喜ぶ大人のズルさ。

 

聞いてて心地よくない話だなと思ったのは確かです。 

 

 

保育園はあくまで保育に欠ける子のための「福祉」であって、「育児負担を軽減するための行政サービス」や「しつけの肩代わりをしてもらう場」ではないと思うのです。

 

 

最近は乳児期からの保育園入園が当たり前のようになっています。専業主婦の友人によると、自宅で2人育てているというと逆に「大変ねー」と同情されることが多いとか。もちろん会社で代替要員の確保ができず、止むを得ず0歳から預けている人は論外です。しかし、自分が育児の面倒から都合よく逃れるために、逆に早期から仕事を開始して保育園を利用しようと考える女性が一部存在している気がします。

 

でも本来、子育ては家庭保育が基本であるし、2歳頃までの時期は愛着形成という目には見えないけれど重要な時期にもあたります。

実際9ヶ月まで赤ちゃんを育ててみると、昼間8時間も親と離れた生活をするなんて想像つかないくらい、常に母を求め、母がいなければ父を探します。抱っこされるのが大好きだし、親子で目を合わせてにっこり微笑むとうれしくて「あー、うー」と大きな声をあげたりします。親の愛情を持った関わり方が子供にたくさんの刺激のシャワーとなって降り注いでいるのが実感できる時期です。

 

世間では「女性が活躍できる社会を実現するために待機児童を速やかに解消します!」などと訴えていますが、人間らしい育児を実現するために本来、政府がすべきことは、親との愛着形成をじっくりと醸成し終えた時点から、元の職場、地位に当たり前に復職したり、あるいは新規で就職したりできる社会環境の整備だと思うのです。

 

「仕事も育児も家事もがんばれ、がんばれ」と言われたって女性だって困りますよね。その弊害の一番の被害者は、いつだって小さな声なき存在であることを忘れてはいけないなと思います。